こもれび助産院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
助産師の田嶋恵子です。

第3回最終回は産院選びにおける母乳育児編です。


皆さん、妊娠したばかりで、なかなか母乳育児まで考えるのはイメージしにくいですね。

妊娠中の母親教室でできれば母乳で育てたいと思っている方はいますか?と伺うとほとんどの方が挙手されます。
女性は母乳育児はいいという事を自然と感じていますね。


自分の体から出る母乳を飲む我が子は、本当にかわいい顔であなたを見つめてくれるでしょう。もうかわいくてかわいくて、たまらないです。おっぱいを飲むだけで、みるみる成長する我が子を見ると母乳ってすごいなと思います。
そんな体験をできるかもしれないと期待するなら、少しだけ母乳育児の事も考えて産院を選ばれるといいでしょう。


そして、母乳育児は産院によってケアの差が大きく出る部分でもあります。
では、産院がどこまで母乳育児について取り組んでいるか3つのポイントで情報収集してみましょう。


①まずは、かなり母乳育児について熱心だと明らかなのは、「Baby Friendry Hospital 」略してBFHといって訳すと赤ちゃんにやさしい病院という認定をもらっている産院があります。

これは、ユニセフと世界保健機構が母乳育児に熱心な産院を厳しい基準で認定している制度で、信頼性もあります。
もし興味があれば、BFH産院と検索してみて下さい。お近くの産院があるかもしれません。


ただ、BFHの産院は多くはないので、全然近くにないわという事も多いです。でも、認定される程ではないけど、ほどほどに母乳育児がんばっているよ!という産院もいっぱいありますので大丈夫です。さあ、その産院を探していきましょう!


その場合はどこで産院を見るか。


②今度は、母児同室というキーワードがあります。母児同室というのは、赤ちゃんとママが同じ部屋で一日中すごすことを意味しています。反対の言葉として母児異室という言葉があり、日中または授乳の時だけは母子で一緒に過ごしても、基本的には赤ちゃんは新生児室などに集められて、お預かりしますという意味になります。

母児同室は、どの産院でも経膣分娩の場合では出産当日か翌日から、帝王切開の場合では術後2〜3日目から始まる事が多いです。

産院からもらえるパンフレットやテキストをお持ちなら、産後のスケジュールの辺りに載っているので確認してみて下さい。HPで掲載しているところは少ないかもしれませんので、分からなければ電話で問い合わせてもいいと思います。


私が新人の頃から(だいたい20年くらい⁉︎)少なくとも母児同室は当たり前でしたので、万が一母児異室のシステムをとっている産院があれば、母乳育児にとっては工夫が必要となるでしょう。

中には、入院中は預かってくれた方がいいと思う人もいるかもしれませんが、家に帰ってから初めてずっと一緒になるのでは、分からない事だらけで困ってしまいます。専門家に聞きながら、家でも生活できるよう慣れていく努力をするだけで入院中はあっという間に過ぎていきます。



母児同室についてがポイントだと言った理由は、まず、経膣分娩でも帝王切開でも赤ちゃんが産まれた事がママの母乳が出るホルモンが活発に動き出すスイッチを入れています。

そのスイッチONの状態で、できるだけ早いうちから母子が一緒に過ごして、触れ合ってコミュニケーションをとり、おっぱいから直接母乳を吸ってもらう刺激を何回も何回もおっぱいに送る事で、おっぱいという母乳工場がやっと稼働し始めます。

スイッチON→おっぱい工場稼働までの流れを作る事が母乳育児にとってはとてもとても大切です。
その流れは出産当日からであればあるほど良いと言われています。


もう少し母乳育児について深く理解してもいいと思ったあなた!
妊娠中に母乳育児についてちゃんと知ろう!の記事も合わせてご覧ください。  


ですから、母児同室をとっている時期が早い産院ほど母乳育児には前向きである事が想像できます。
もし、先程あげた日数よりも遅くに母児同室をとっていれば、たいして母乳育児には力を入れていないと言えます。


その日数にもある程度巾をもたせてある産院が多いですが、それは出産でヘトヘトになる場合もあり、当日は母乳をあげる元気がない方もいるからです。産院選びという視点では、「◯〜△日目から母児同室」と書いてあれば、最初の◯日はいつになっているかを確認してみましょう。


③次に、哺乳瓶でミルクを飲ませているかどうかについて産院に確認してみましょう。
母乳育児をがんばっていても、一時的にミルクを飲んでもらう必要が出てくる場合があります。その時に哺乳瓶で飲ませるという手段以外に、カップまたはスプーン授乳という手段があります。実は、赤ちゃんは産まれた時からカップに口をつければゴックンと飲み込むことができます。

日頃からカップまたはスプーン授乳を取り入れている産院があったら、赤ちゃんの口に入る乳首はママの乳首だけにする事を大切にしている事が分かります。


理由は、いわゆる哺乳瓶慣れが起こらないようにするためです。赤ちゃんがママの乳首と哺乳瓶の乳首と比べて、母乳が少し出る段階のママの乳首を嫌がり、飲みやすい方の哺乳瓶の乳首を欲しがったりする事がないようにするためです。

そうなると、直接母乳を吸ってくれなくなり、おっぱいを赤ちゃんが吸う刺激が減り、おっぱい工場が稼働しきれなくなる事が予想されるます。
そうなる前に対策を用意してくれているかどうかが判断できるかと思います。



ただ、NICU(新生児集中治療室)に入院する事になったり、たくさんミルクを飲むようになったりする場合は哺乳瓶でミルクをあげる事も必要になります。

その時は、哺乳瓶に負けないくらい飲みやすいママの乳首を手で搾るなどして準備していきましょう。コツが必要になるので、1人で悩まず、ぜひ開業助産師に相談して下さいね!


母乳育児はママのヤル気と産院のスタッフの努力と対策が大きなポイントになります。

データからみますと、産後1か月の頃、母乳のみで育児ができる人は、平均4〜5割と言われています。それが、ママのヤル気と産院選びによって、7〜9割にまでアップします。
母乳のみがいいと言いたいのではなく、これらの条件によって同じ女性であっても母乳育児ができるかどうかが変わってきます。


ご注意頂きたいのは、以上の事が母乳のみで育てることの条件ではありません。
私が産む産院では全然ないわとがっかりせず、妊娠中にやれる事は他にないかぜひいろんな情報を得る時間に使って下さいね。

それを納得した上で産院を選ばれることをオススメします。